リフォーム提案に停電対策を組み込むべき理由とは?停電対策の課題と解決策を解説

2023年5月17日
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災害に備えた住宅リフォームを行う際、停電対策は特に重要です。停電時の暮らしへの影響を最小限に抑えるためには、夜間でも電気を供給できるシステムを提案する必要がありますが、そこには課題もあります。本記事では、停電対策におけるリフォームの課題やその解決策などをご紹介します。

コロナによって急増しているリフォーム需要の動向

2020年に始まった新型コロナウイルスの感染拡大を受け、「ステイホーム」や飲食店などの時短営業が呼びかけられました。

結果、消費者の旅行や外食など「外向き」の活動が長期間控えられ、家で過ごす時間が増えたことで、住宅リフォームへの関心が高まる動きが見られています。

防音対策や断熱効果の向上など、居住空間を快適にするためにリフォームは不可欠であり、自粛により使い道が限定されていた家計のお金がリフォーム市場に向かう効果も期待されました。

矢野経済研究所が実施した調査結果によると、2022年のリフォーム市場規模は約6.5兆円の見込みであり、2021年の約6.9兆円と比べると0.4兆円下落する予測です。

しかし、住宅を保有する団塊ジュニア世代がリフォームを行うタイミングに突入していることなどもあり、今後のリフォーム需要は手堅く推移していくものと予想されています。実際、2023年のリフォーム市場規模は約6.6兆円と0.1兆円の増加が見込まれ、2030年にかけて緩やかに市場規模が拡大していく予想です。

出典:矢野経済研究所「住宅リフォーム市場に関する調査を実施(2022年)」

近年注目のレジリエンスを高める防災リフォーム

ひと口に「リフォーム」と言っても、数千円程度で済んでしまうものから、家全体を増改築するような1,000万円以上かかる工事まで、費用には大きな幅があります。また、老朽化した個所・設備の修繕や見栄えの改善、増改築など、その目的もさまざまです。

こうした中、近年、大地震をはじめとする自然災害がたびたび発生していることによる危機感の高まりから、災害対策のために住宅をリフォームする人が増加しています。こうしたリフォームは「防災リフォーム」と呼ばれ、災害に対する「レジリエンス」(強靭性・回復力)を高めるリフォームとして注目されています。

対象となる災害としては、以下のものが挙げられます。

  • 地震

  • 強風

  • 落雷

  • 火災

  • 停電

  • 断水

  • ガス遮断

 

ただし、防災リフォームは一般的に費用が高額であり、リフォーム工事が完了するまでに時間がかかることから、意思決定が難しい課題があります。

エンドユーザーはリフォーム自体の検討や業者の選定に慎重になるため、リフォーム事業者には自社の提案をより有益なものにするための工夫が求められます。

停電対策をリフォーム提案に組み込むべき理由

自社の提案を有益なものにするためには、災害対策の一環として停電対策をリフォーム提案に組み込むことが有効です。

なぜリフォーム提案に組み込むことが有効かというと、災害時には、電気や水道などのライフラインが遮断されることがあり、万が一のことがあった場合にも暮らしへの影響を最低限にとどめられるような対策が必要になるからです。

その中でも、停電対策が特に必須である理由として以下4つが挙げられます。

冷蔵庫が使えなくなる

冷蔵庫が使えなくなると、冷蔵庫内の食材が傷んでしまい、食べられなくなります。災害発生時に自宅にとどまる「在宅避難」を選択するケースもありますが、在宅避難の期間が長期化すると食べるものがなくってしまい、文字通りの死活問題になりかねません。食べ物が傷みやすい夏場は特に深刻な問題になります。

冷暖房機が使えなくなる

エアコンやヒーターなど冷暖房機が利用できなくなることも問題です。夏場は熱中症のリスクが高まり、冬場も寒さで体力が消耗したり免疫力が落ちたりする危険があります。

携帯電話の充電ができなくなる

外部への連絡手段や情報収集の手段として携帯電話・スマートフォンは必須ですが、停電が発生すると充電ができないため、使い続けていると電源が切れてしまうリスクがあります。省エネモードで利用したり、利用時間を抑えたりするなどの対策をとっても、充電できない限り根本的な解決にはなりません。

照明器具が使えなくなる

照明器具が使えず、地震などで物が散乱している状態で暗い室内を移動するとケガのリスクがあります。懐中電灯などの準備も大切ですが、完全に照明器具の代わりになるわけではないため、生活に支障が出てしまいます。

これらの理由から近年では、電力会社からの電力の供給が途絶えても、太陽光発電システムがあれば非常用電源として活用可能となり、停電対策として太陽光発電システムを搭載する住宅が増加しています。建築主が希望されることもあるため、リフォーム提案の際には停電対策を組み込む必要があります。

ただし、太陽光発電は太陽が出ている昼間のみ利用できるため、夜間に電気を使いたい場合は、昼間に発電した電力を蓄える「蓄電池」の設置が必要です。

停電対策を提案するうえでの課題

先述のように、停電対策として夜間に電気を使いたい場合は、昼間に発電した電力を蓄える「蓄電池」を設置する必要がありますが、以下理由により蓄電池を設置しても貯めていた電力を使えないことがあります。

自動切り替え機能がない

蓄電池は、通常時には電力消費が少ないモードで稼働していますが、停電時にこのモードのままだと電力を使用できません。モードを切り替える必要があり、自動切換機能が備わっている製品もあります。しかし、製品によっては自動切り替え機能がないものもあるため、手動での切り替え方を把握していないと非常時に電力を使えなくなってしまいます。

設置時に自動切り替えの初期設定をしていない

上記と似たような理由ですが、製品によっては自動切り替えが行われるよう初期設定が必要なものもあります。製品を利用していて初期設定を怠っていた場合、手動での切り替え方がわからず電力を利用できない可能性があります。

電気を使いたいときに使えないとなると施工主とトラブルが発生する可能性があるので、製品の使用方法や使用イメージを提案時にしっかりと説明する必要があります。

蓄電池の普及が進んでいない

蓄電池は、一般的に充電して電力が供給されない場所や停電時において活用されています。

発電時に余った電力(余剰電力)を蓄えておき、発電量が不十分な時に活用することができるので、電力の安定供給に役立ちます。

便利なシステムですが、なかなか蓄電池の普及が進んでいません。なぜかというと、一番の問題と考えられるのは価格です。

例えば電力会社の送配電網である電力系統に繋ぐことができる蓄電池の場合、家庭用蓄電池では一台百万円から数百万円と高額になってしまいます。

停電対策を提案するうえでの課題を解決する方法

停電対策を提案するうえでの課題を解決するためには、まずは「停電したときに切り替え方法がわからず蓄電池が使えない」という事態に陥るのを防ぐことが大切です。

そのためには以下のような対策を実施する必要があります。

  • モードの自動切り替えできる機能を後付けする
  • 太陽光や電気自動車とも接続できるようにするなど、主電源の種類を増やす

 

ただし、実際にリフォームを行う施工会社側がこれらの対策を行うことは容易ではありません。

また、蓄電器などの停電対策システムの価格を施工会社側で変えられるものではないことがほとんどです。

そこで、停電に強く導入しやすいリフォーム製品・サービスを提案することが重要になります。

リフォーム提案でお困りの事業者様は日東エルマテリアルへご相談ください

日東エルマテリアルが提供する「スマートエルライン™ライト」は、停電時に太陽光発電、自動車、発電機の3つから住宅へ電気供給ができるシステムです。あらかじめ非常用回路を設定することで、冷蔵庫、照明、テレビなど非常用負荷5回路へ電気供給が可能となります。

停電しても重要負荷分電盤の操作は必要なく、自動で電気の供給元が切り替わるため、「切替方法がわからず給電できない」といった心配もありません。

導入コストも低く、簡単施工で停電時にも最低限の電気が使える住宅へのリフォームが可能です。

住宅の停電対策のリフォーム提案でお困りの事業者様は、日東エルマテリアルまでご相談ください。

また、以下資料では停電対策のポイントをご紹介していますので、ご関心のある方はぜひご覧ください。

お役立ち資料

リフォーム提案のヒント!住宅設備としての停電対策
リフォーム提案のヒント!住宅設備としての停電対策
近年、人口減少に伴う新築住宅の需要の減少する一方でリフォーム事業の需要が増加しています。そのような需要の高まりから、昨今のリフォーム事業に参入する企業が増えており、今後リフォーム事業にて競合性を保つには、付加価値のある提案が重要です。本書ではそのような付加価値のある提案を行うために必要とされる「災害対策」について詳しくご紹介します。
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